家庭調査票の提出を求められた際に、「どのように記入すればいいのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。保育園や幼稚園側に、子どもの成長や家庭環境を正確に伝えるためには、それぞれ項目のポイントを押さえて記入しなければなりません。

本記事では、家庭調査票の概要や入園前の教育状況の書き方、各項目のポイントをご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

家庭調査票とは？

家庭調査票は、子どもが保育園や幼稚園生活を円滑に送るために必要な情報を伝える大切な書類です。これは願書とは異なり、入園決定後に提出するものです。

このため、記載内容が多少間違っていても、あとから先生に確認してもらえるため、過度に心配する必要はありません。また、この書類は緊急時に使用する場合が多いため、連絡先や職場情報など大切な項目は、正確かつ丁寧に記入しておきましょう。

ほかの項目については、リラックスして書き進め、子どもの日常や特性が先生に伝わるよう意識する程度で十分です。必要な情報の共有が目的であるため、気負わず取り組みましょう。

 

 

家庭調査票の項目と書き方のポイント

次は、家庭調査票の項目と書き方のポイントについて解説します。それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

 

名前と生年月日

子どもの名前は正式な漢字で丁寧に記入しましょう。生年月日は「西暦」と「和暦」のどちらでも構いませんが、統一感を保つため、同じ書式で記載するのがおすすめです。ほかの項目で年号を記載する場合は、一貫性を意識してください。

家庭調査票は、公式記録となる可能性があるため、慎重に確認しましょう。ミスを防ぐためにも、記入後に再度見直しを行い、記載内容が正しいか確認してから提出すると安心です。

 

現住所

住所欄には、必ず現在の最新の住所を記載しましょう。引っ越しの予定がある場合は、その計画についても具体的に記載しておくと、保育園や幼稚園側で対応がスムーズになります。

また、住所変更が発生する際には、正確な情報を共有しておくと、連絡や書類のやり取りでのトラブルを防げます。正しい住所の記入は、円滑なコミュニケーションの第一歩となるため、最新情報を意識して記載するよう心がけましょう。

 

緊急連絡先

緊急時に備え、確実に連絡が取れる電話番号やメールアドレスを記入しましょう。通常、両親それぞれの携帯番号や勤務先の電話番号を記載するのが一般的です。また、万が一の際に備えて、両親以外の緊急連絡先も忘れずに記入してください。

祖父母や信頼できる知人の連絡先を記載しておくと、迅速な対応が可能になります。さらに、送迎に関わる人の情報も記載しておくと安心です。正確な情報を記入して、保育園や幼稚園側とのスムーズな連携を心がけましょう。

 

かかりつけ医の情報

子どもの健康に関するサポートをスムーズに行うため、かかりつけ医の情報を記載しましょう。医療機関の名前や医師の連絡先を明記しておけば、万が一の際に迅速な対応が可能です。

また、医療履歴や特別な配慮が必要な場合は、詳細を補足すると、保育園や幼稚園側で適切に対応しやすくなります。この情報は、緊急時の大切な手がかりとなるため、正確に記入してください。

 

保護者の職場情報

保護者の職業や勤務先の詳細を記入すると、保育園や幼稚園側が緊急時に迅速に連絡を取りやすくなります。会社名や職場の所在地だけでなく、勤務形態（例：フルタイムやパートタイム）についても明記しておくと安心です。

この情報は、緊急連絡の際や、保育に必要な配慮を行う際に役立つため、正確に記載しましょう。適切な情報を共有しておくと、保育園や幼稚園側との連携がよりスムーズになります。

 

家庭構成

子どもの家庭環境をよりよく理解するために、家族構成や兄弟姉妹の有無、年齢を記入しましょう。この情報は、子どもの成長や生活背景を知るうえで非常に役立ちます。

「続柄」を記載する際には、両親は「父」「母」と明記して、兄弟姉妹については子どもとの関係が一目で分かるように「兄」「弟」「姉」「妹」など具体的に記述してください。

情報は正確で最新のものを記入して、家族構成に変更があった場合は早めに保育園や幼稚園側に知らせるよう心がけましょう。

 

入園前の状況

生育地とは、子どもが主に育った場所で、記入する際は「〇〇県〇〇市」と具体的に書くと分かりやすいです。一方、出生地は子どもが生まれた場所を記載します。また、子どもを主に育てた人については、「両親」と書くのが一般的ですが、状況に応じて柔軟に記入できます。

たとえば、共働きで祖父母が育児を手伝っている場合は「両親、祖母」、片親が不在の場合は「母親」や「父親」だけでも問題ありません。

 

健否・健康状態

健康状態を記入する項目には、子どもの健康に関して特に伝えるべき事項があれば、具体的に記載しましょう。たとえば、喘息やアトピー、視力や聴力に関する問題などが挙げられます。

これらが特にない場合は、「良好」と簡潔に記入するのが一般的です。一方で、家庭調査票と別に「健康調査票」という書類が用意されている場合もあるため、提出書類の内容を確認して、適切に対応しましょう。

 

長所・短所

お子さんの長所は比較的記入しやすいですが、短所が思い当たらない場合は「特になし」や「今のところ特になし」と記載するだけでも問題ありません。また、長所を別の視点で捉え、その裏側にある特徴を短所として表現する方法もあります。

たとえば、大人しい子の場合は「新しい環境に慣れるのに時間がかかる」という、具体的なエピソードを添えるのもおすすめです。このような書き方は、先生が子どもの性格をより深く理解する助けになります。

 

趣味、好きな遊び、嫌いなこと

子どもの趣味や好きな遊びを記入する際、幅広い選択肢があるため、どれを挙げるか迷う場合もあります。たとえば、遊びの種類としては、「すべり台」「お絵かき」「ブロック遊び」「絵本」「砂場遊び」など、子どもが特に楽しんでいる活動を具体的に書きましょう。

一方で、嫌いなことについても、無理にたくさん挙げる必要はありません。たとえば「手がよごれることが苦手」や「おもちゃを取られるのを嫌がる」など、普段の様子から気になる点を記載する程度で十分です。日常の行動を思い出しながら書いてみてください。

 

入園前の教育状況

入園前の教育状況には、子どもが経験している習い事や家庭での取り組みについて記載します。たとえば、「英会話」「音楽教室」「水泳」「幼児教室」などに通っている場合、その内容や開始時期、通った期間を具体的に書きましょう。さらに、通信教材を利用している場合も、その旨を記載できます。

また、習い事がない場合は、自宅で行っている教育的な取り組みを記入するのがおすすめです。たとえば、「絵本の読み聞かせ」「ひらがなや数字の練習」「外遊びを取り入れている」など、日常的な活動を簡潔に記すだけでも十分です。

 

家庭での教育方針、親が配慮している点、しつけ

家庭の教育方針は、身近な取り組みや心がけを簡単にまとめるだけで十分です。たとえば、以下があげられます。

• 挨拶をきちんとできるように意識している
• 自然のなかで元気に育ってほしい
• 新しいことに興味を持ち、挑戦する気持ちを育みたい
• 友達と協力や思いやりを持つことを学んでほしい
• 物や食べ物を大切にする気持ちを育てているなど

このように、日常のなかで実践していることを挙げてみると書きやすいです。

 

幼稚園に対する希望、担任への要望

幼稚園に対する希望、担任への要望の例としては、以下があげられます。

• 自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手なので、少しずつ話せる機会を増やしてほしい
• はじめての環境では緊張しがちなため、安心して過ごせるよう見守ってほしい
• 友達との関わりがまだ少ないため、集団生活を通じて少しずつ仲良くなれることを願っていいます
• 親以外との接触経験が少ないため、園での交流を通じて自立心を育てたい
• 活発で好奇心旺盛な性格ですが、じっとしているのが苦手な面もあるため、適度に気を配っていただけると助かります
• 友達と遊ぶなかで時々言い合いになることがありますが、きちんと状況を確認していただけるとありがたいです

 

 

入園前の教育状況でよくある3つの質問

最後に、入園前の教育状況でよくある質問について紹介します。

• 質問1.家庭調査票で書き間違えた場合は訂正印が必要？
• 質問2.家庭調査票を記入する際に気を付けるポイントは？
• 質問3.通園略図を描く際の注意点は？

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

 

質問1.家庭調査票で書き間違えた場合は訂正印が必要？

家庭調査票を記入する際、ボールペンでの記入が推奨される場合が多いです。基本的に家庭調査票は公的な書類ではなく、提出先の幼稚園や保育園の判断に委ねられるため、訂正印は不要です。しかし、誤りがあった場合には、相手に正確に伝わるよう訂正しましょう。

具体的には、修正テープを使用して正しい内容を記入するか、間違えた部分に二重線を引いて横や近くの空きスペースに書き直す方法が一般的です。どちらの方法も園側で、読める状態に整えておく必要があります。

 

質問2.家庭調査票を記入する際に気を付けるポイントは？

家庭調査票を記入する際に気を付けるポイントは、以下のとおりです。

• 情報の正確さ

緊急連絡先や子どもの健康状態など、間違いが影響をおよぼす可能性のある項目については慎重に確認する

• 詳細な記述

子どもが安心できる状況や食事での配慮事項など、先生方が子どもを理解しやすくなる情報を盛り込む

• 読みやすさ

箇条書きや簡潔な表現を使うと、情報が伝わりやすくなる

• 最終確認

記入漏れや古い情報、曖昧な表現がないか確認する

 

質問3.通園略図を描く際の注意点は？

地図を作成する際には、北を上に配置するのが一般的なルールです。最近では、北以外を上にした地図も見かけますが、多くの場合、北を上にして描くことで見やすくなります。詳細に描き込みすぎる必要はなく、要点を押さえた分かりやすい地図で十分です。

このため、大まかに目的地が理解できれば、問題視される場合はありません。園や訪問者が迷わずに到達できる情報を簡潔にまとめましょう。

 

なお、通園略図をプリントする場合の手順については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事：通園略図をプリントする場合の手順とは？手描きで描く場合のステップも詳しくご紹介します！

 

 

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まとめ

本記事では、家庭調査票の概要や入園前の教育状況の書き方、各項目のポイントをご紹介しました。

家庭調査票は、子どもが保育園や幼稚園生活を円滑に送るために必要な情報を伝える大切な書類です。これは願書とは異なり、入園が決まったあとに提出するものです。このため、記載内容が多少間違っていても、あとから先生に確認してもらえるため、過度に心配する必要はありません。

記入項目には、名前や生年月日、住所、緊急連絡先といった基本情報から、かかりつけ医や保護者の職場情報、家庭構成まで多岐にわたります。さらに、子どもの健康状態や長所・短所、趣味や好きな遊び、家庭での教育方針なども具体的に記入する必要があります。

入園前の教育状況や親のしつけ方針は、園が子どもの特性を理解しやすくするための大切な情報です。園に対する希望や担任への要望も記入しておくと、よりよい教育環境づくりにつながります。

教育現場で適切なサポートを受けるための基礎となるため、丁寧にかつ正確に記入しましょう。

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