子どもが保育園や幼稚園などの登園に拒否反応を示す場合に、どのように対応するべきなのか悩まれている方もおられるのではないでしょうか。登園拒否の背景には、環境の変化や人間関係への不安など、登園したくない理由が存在します。

本記事では、子どもが登園を拒否する際に見せる行動や登園拒否の理由、保護者ができる対応をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

子どもが登園を拒否する際に見せる3つの行動

まず、子どもが登園を拒否する際に見せる行動について紹介します。

• 登園を嫌がって泣く
• 動こうとしない
• 走って逃げる

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

 

1.登園を嫌がって泣く

子どもが保育園や幼稚園に行きたがらないとき、泣く以外にもさまざまな行動で意思を示す場合があります。たとえば、準備をしぶったり、遊んでいるふりをして時間を引き延ばそうとしたりなどの行為があります。

これらの行動は、子どもが自分の気持ちを表現する方法の1つであり、必ずしもわがままであるわけではありません。この背景には、不安や緊張、親と離れる寂しさが隠れている可能性がほとんどです。親がそのサインに気づき、子どもの感情に寄り添ってあげると、安心感を与えられます。

 

2.動こうとしない

保護者が「行こう」と声をかけても、子どもが無言で立ち止まったり、意図的に動作を遅らせたりする行動も珍しくありません。支度を進めるのを拒んだり、玄関先でじっとしたままだったりする行動は、行きたくないという気持ちを間接的に表してます。

このような態度には、緊張や不安、行きたくない理由をうまく言葉で伝えられない子どもの葛藤が含まれている場合があります。この場合、無理に行動させるよりも、子どもの気持ちに寄り添い、理由を探りながら落ち着かせる工夫が大切です。

 

3.走って逃げる

保護者と一緒に家を出た直後に、突然走り出してしまう子どももいます。このような行動には、自分の気持ちを伝えたいという子どもの意思が隠れている場合がありますが、思わぬ危険につながるケースも少なくありません。

道路や車の往来がある場所では、事故のリスクが高まるため、注意が必要です。子どもが安心して外出できるように、手をつないで安全を確保しつつ、子どもの気持ちに耳を傾けましょう。

 

 

子どもが登園を拒否する主な理由は5つ

次に、子どもが登園を拒否する主な理由について紹介します。

• 親と離れたくない
• 園の生活に不安がある
• 苦手な友達がいる
• 赤ちゃん返りをしている
• 体調が悪い

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

 

1.親と離れたくない

子どもにとって、保護者と一緒にいることは安心感の源であるため、保育園や幼稚園に通う際に保護者と離れると抵抗を感じるのは自然な感情です。家庭では保護者が手助けをする場面も多く、子どもは安心して甘えられる環境で過ごしています。

一方で、園生活では自分で行動したり、ほかの子どもや先生と協力したりする必要があります。この環境の違いが、不安やストレスの原因の1つです。子どもがこのような気持ちを抱いたときは、保護者が温かく寄り添い、小さな成功体験を重ねる手助けが、安心感の回復につながります。

 

2.園の生活に不安がある

はじめての環境や大勢の人との関わりに不安を感じる子どももいれば、園内での出来事に対するストレスが原因のケースも少なくありません。さらに、苦手な先生や友だちとのトラブル、活動内容が子どもの発達に合わないなどが要因となる可能性もあります。

幼い子どもは、自分の気持ちを言葉でうまく表現するのが難しいため、「行きたくない」と泣いて訴えて、不安や不満を伝えようとします。保護者がそのサインに気づき、子どもの気持ちに寄り添いながら問題を解決していく姿勢が大切です。

 

3.苦手な友達がいる

年中以上の子どもが園に行きたがらない理由として、友だちとの関係が影響している場合があります。同年代の子どもたちと一緒に過ごす時間が増えるなかで、性格や遊びの好みが合わない相手との関わりがストレスになるケースも珍しくありません。

これは、成長過程において自然なことであり、人間関係のなかで起こる小さな葛藤が原因となっています。子どもがこのような理由で通園を嫌がる場合、保護者が気持ちを受け止め、子ども自身が対処する方法を見つけられるようにサポートしましょう。

 

4.赤ちゃん返りをしている

弟や妹が生まれて、上の子が登園を嫌がる場合があります。新しい家族が加わり、自分への注目や愛情が減ってしまったのではないかと不安を感じてしまうのが原因です。さらに、弟や妹が保護者と家で過ごしているのに、自分だけが園に行かなければならない状況に不公平感を抱くケースも少なくありません。

このような状況では、子どもの気持ちを尊重して、「特別な存在」であると伝える声かけをしたり、時間を作ったりする方法がおすすめです。保護者が心から寄り添えば、安心感を取り戻して、少しずつ前向きに園生活に向き合えるようになります。

 

5.体調が悪い

大人のように明確に症状を訴えるのが難しい年齢では、言葉ではなく行動で不調を訴えるケースも少なくありません。たとえば、元気がない、ぐずる、食欲が落ちているなどのサインが見られる場合、目に見える症状がなくても体調が優れない可能性があります。

また、昨日まで元気に通っていたのに、急に嫌がる場合は、無理をせずに一度休ませて様子を見るのもおすすめです。子どもの健康状態をよく観察して、早めに対応するようにしましょう。

 

 

子どもが登園拒否した場合に保護者ができる対応は3つ

次に、子どもが登園拒否した場合に保護者ができる対応について紹介します。

• 子どもの気持ちを代弁してみる
• 保育園での楽しみや先の見通しを説明してあげる
• 気持ちを切り替える儀式を取り入れる

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

 

1.子どもの気持ちを代弁してみる

登園を拒否する子どもには、不安や心配といった気持ちが隠れている場合があります。その際、まずは子どもの心に寄り添い、気持ちを理解していると伝える姿勢が大切です。たとえば、「行きたくない気持ちがあるんだね」「ちょっと怖いのかな」など、子どもの気持ちを代弁してあげましょう。

これにより、子どもは自分の感情が受け止められたと感じ、安心できます。このように、保護者の共感的な対応が、子どもの心を軽くし、次の一歩を踏み出すきっかけとなります。

 

2.保育園での楽しみや先の見通しを説明してあげる

子どもが保育園に行くのを不安に感じている場合、保育園でのスケジュールや楽しみな出来事を話すと、不安を軽減する助けになります。

たとえば、「今日は〇〇をするんだって、楽しそうだね」や「お昼寝したら、ママが迎えにくるよ」といった具体的な流れを伝えてあげると、子どもは安心できるかもしれません。

このように、未来が予測可能だと感じると、保育園に対する抵抗感が減り、園生活に前向きに向き合えるようになります。

 

3.気持ちを切り替える儀式を取り入れる

子どもの登園をスムーズにするためには、安心感を与える「お約束」や「日課」を取り入れる方法が効果的です。たとえば、靴をぬがせて上靴を履かせたり、お気に入りのハンカチを持たせたりといった工夫が役立つ場合があります。

このように、小さな「儀式」を通じて、子どもは気持ちを切り替えやすくなり、不安を軽減できます。無理に「できるはず」と期待するのではなく、子どもが自分のペースで進めるようサポートしてあげましょう。柔軟な対応が、子どもの心を落ち着かせる大きな助けになります。

 

 

登園拒否でよくある3つの質問

最後に、登園拒否でよくある質問について紹介します。

• 質問1.登園拒否するときにNGな行動は？
• 質問2.登園拒否・登園しぶりをしやすい子はいる？
• 質問3.保育園を休ませる基準の例は？

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

 

質問1.登園拒否するときにNGな行動は？

子どもが登園を嫌がる場合に、無理に連れて行こうとすると、「気持ちをわかってもらえない」と感じ、不安が増す場合があります。「行きたくないのはわかるよ」と受け止めながらも、「今日はどんな楽しいことがあるか見てみようね」と優しく誘ってみましょう。

また、ほかの子どもと比べて、「みんなできているのに」と言うのは避けるべきです。それよりも、子どものペースを尊重して、小さな前進を一緒に喜ぶ姿勢が大切です。

 

質問2.登園拒否・登園しぶりをしやすい子はいる？

子どもが保育園や幼稚園に通いはじめる際の反応は、子どもによって異なります。家庭では元気で人見知りしない子が、園では不安を抱えて行きしぶる場合もあれば、逆に心配していた子が驚くほど馴染むケースもあります。

これらの反応は、子どもが新しい環境や状況を理解しはじめ、自分の気持ちを表現する力が育ってきた証拠です。保護者は、焦らずに、子どもの心の変化に寄り添いながら、少しずつ前進をサポートしてあげましょう。

 

質問3.保育園を休ませる基準の例は？

子どもの体調が目に見える症状として現れていなくても、元気がなかったり、普段と違う様子が見られたりするときは登園するか悩む場合があります。さらに、小さな子どもは、体調の変化が突然起きるケースも多く、慎重な判断が必要です。

たとえば、食欲が落ちていたり、軽い風邪の兆候やお腹の調子が悪かったりする場合などは、一度休ませて様子を見るのもおすすめです。子どもが安心して休める環境を整え、体調を回復させるのが長期的な健康につながります。

 

 

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まとめ

本記事では、子どもが登園を拒否する際に見せる行動や登園拒否の理由、保護者ができる対応をご紹介しました。

子どもが登園拒否する際には、その場から動かない、嫌がって泣いたり、走って逃げたりする行動をとる場合が多いです。これらの行動は、子どもが自分の気持ちを表現する方法の1つであり、わがままな行動ではありません。

たとえば、園の生活への不安や緊張、親と離れる寂しさ、赤ちゃん返り、体調不良などの原因が隠れている可能性が高いです。このため、保護者がそのサインに気づき、子どもの気持ちに寄り添いながら問題を解決していく姿勢が大切です。

また、登園拒否した場合に、子どもの気持ちを代弁してあげたり、楽しみな行事や先の見通しを説明したりすると、前向きになりやすくなります。さらに、安心感を与える「お約束」や「日課」を取り入れると、気持ちの切り替えがうまくできるかも知れません。

子どもの不安に寄り添いながら、少しずつ前向きに登園できる環境を整えていきましょう。

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